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(5)兵庫県南部地震入力時の発生応力
?@1秒クレーン(アンローダ)
3方向同時入力時の作業時クレーン主要部材の応力を図1.9(1)に、休業時クレーン主要部材応力を図1.9(2)に示す。これらの応力値は作業時および休業時でそれぞれ応答が最も大きくなるポートアイランド観測波および神戸海洋気象台観測波入力時の結果である。
・部材応力は、作業時および休業時いずれも海側脚部(剛脚側)とくにトラス部で応力が大きくなる。作業時の最大で許容応力の7倍以上、休業時で最大6倍程度に達している。また、クレーン上部についても許容応力を越えている部位がみられる。
・兵庫県南部地震の観測波に対する実際のクレーンの地震時挙動は、脚の浮き上がりや車輪とレール間のすべり等が予想されるため、これらを考慮した検討が必要となる。
?A3秒クレーン(コンテナクレーン)
図1.10(1)、(2)に3方向同時入力時の作業時クレーン主要部材の対許容応力比を示す。図1.10(3)、(4)休止時を同様に示す。
・部材応力についてもポートアイランド観測波に対するものが大きく、剛脚の陸側脚とポータル梁部付近の応力は、許容応力の約1.7倍程度になる。
・以上は脚固定とした3秒クレーンの結果であるが、実際の地震応答では脚の浮き上がりが予想されることから、脚の浮き上がりを考慮した検討が必要と考えられる。
なお許容応力は、JlS B8821に準処し負荷状態Cでの値として下記を用いた。

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